皆さんは生クリームがなくて困ったことはありませんか?
私は先日、ふと甘いものが食べたくなって
家にある材料でケーキを作ったのですが、デコレーションの時に生クリームがないことに気づきました。
そこで、同じ乳製品である牛乳なら
生クリームに似た感じに変身できるのでは、と思いついたので試してみました。
牛乳と生クリームのちがい
生クリームとは、生乳を遠心分離して水分を減らし、脂肪分を均一になじませたもの。
生クリームに含まれる脂肪分は35~45%で、少ないとさらっとしたクリーム、多いと固めのクリームになります。
生乳(せいにゅう)とは、牛の乳を搾ったままのものをいい、無調整乳とも呼ばれます。含まれる脂肪分は3.5~4.0%。
生乳のほかには、低脂肪乳、無脂肪乳などがあるが
このうち、生乳(せいにゅう)のみがバターやチーズに加工されています。
これらのことから、生乳を生クリームにするには以下の方法があると考えられます。
- 遠心して水分を減らし、脂肪分を均一にする。
- 生乳に脂肪分を足して、脂肪分を均一にする。
1つ目の方法では遠心機がないため、2つ目の方法で試してみることにしました。
(※遠心機の代用としては、自転車の車輪が使えます。海外では停電時の検査に、遠心分離機の代わりに使われるそうです。)
生乳に脂肪分を足せばクリーム状になる?
生乳では、生クリームに比べて脂肪分が少ないため、脂肪分の多いバターを加えることでクリーム状になるのではないかと思ったので、検証してみました。
今回使用したもの
- 牛乳(生乳)・・・150ml
- バター・・・15g
- 砂糖・・・15g
- ハンドミキサー、ボウル、レンジ
牛乳は無調整乳である生乳(せいにゅう)を使用。脂肪分としては無塩バターを、砂糖はグラニュー糖を用意しました。
方法
今回行った方法です。
- 生乳をハンドミキサーで泡立てる。
- 砂糖を2回に分けて加え、さらに泡立てる。
- レンジで溶かしたバターを少しずつ2に加える。
- クリーム状になった部分だけを使って、デコレーションする。
細かい泡がたち、始めの生乳の量よりも3倍量になりました。
5部立てくらいの泡立ちになりました。
一般的な生クリームデコレーションの場合は、7部立てといわれているので、少し泡立ちは弱いです。
このままのクリームをケーキに塗ろうと(ナッペ)すると、スポンジ生地に吸収されていきました。
さらにハンドミキサーで泡たてると、水分と脂肪分が分離したので、クリーム層になっている部分のみを使用してみました。
結果と考察
生乳で完全な生クリームをつくることは出来ませんでした。
まず、生乳に砂糖を加えた状態で泡立てたときに、5部立てくらいの泡立ちしか得られず、これは、一般的な生クリームデコレーションに使う「7部立て」よりも泡立ちは弱かったです。
このときの香りと味は生クリームに似た甘さでしたが、泡の性状は大きく違っていました。
- 生乳クリーム:大きな空砲を多数含んだ、軽めの泡立ち
- 生クリーム:空砲が細かく、濃密な泡
洗顔料でいうと、泡のままでてくるのが生乳で、ネットを使って泡立てたものが生クリームの性状、のイメージです。
そして、バターを加えた後、水分と脂肪分が分離してしまいました。
脂肪分が液体に浮いてしまい、ハンドミキサーだけでは均一にならなかったです。バターを完全に溶かした状態でもうまくいかなかったので、それぞれの温度の相性もあるのでしょうか。
今回は、冷えた牛乳と暖めて溶かしたバターで検証したので、共に冷やした状態、暖めた状態でも試してみるのもいいかもしれません。
ちなみに、バターを溶かしいれた後の風味はバター臭さが強くなってきたので、生クリームの味とかけ離れそうだったので、今回は15g以上は加えませんでした。
今回は無塩バターを使用したのですが、これは生乳から作られた加塩バターから塩を除去する過程を経てできたものなので、塩を足すか加塩バターを使用すると、もしかしたら生クリームに近づくのではとも考えられました。
これらのことが均一なクリーム状にならなかった原因だと考えられます。牛乳中の脂肪分を均一にする方法を思いついたら、またの機会に検証してみます!!
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